佐々木朗希の持ち球(球種)は「ストレート・フォーク・カーブ・スライダー」の4種類です。
大別するとストレートを中心にした投球術の中にテンポ良くフォークを投げて凡打、三振を得ながら、カーブ・スライダーを少しだけ投げ分ける戦術です。
日本人最高速とも言える「豪速球」を投げる佐々木朗希の直球の縦回転は尋常ならざる回転数を誇っているので、もはや佐々木朗希にしか投げられない変化球とも日本的観点では言えると思います。
今回は、佐々木朗希の球種の中で打者に対して効果的な球筋は「直球・変化球」のどちらなのかを考えながら、初ホームランを食らってしまったフォークの威力にも触れていきます。
佐々木朗希は変化球が打者に効果的
球種 | 被打率 | 被打数 | 被安打 | 被本 | 被四死 | 奪三振 | 空振率 | 見逃率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ストレート | .230 | 113 | 26 | 0 | 4 | 34 | 11.55% | 15.27% |
フォーク | .112 | 107 | 12 | 1 | 5 | 63 | 33.74% | 9.42% |
スライダー | .250 | 8 | 2 | 0 | 0 | 3 | 20.00% | 20.00% |
カーブ | .333 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 5.88% | 38.24% |
2022年度佐々木 朗希【ロッテ】カウント別・球種配分成績を算出しているbaseballdate.jpのデータから見ると、直球よりもフォークの方が奪三振率が高く、空振り率、見逃し率も直球と比べて3倍ほど高くなっている傾向が見えます。
佐々木朗希が初めてプロ人生でホームランを食らってしまったのが、苦しくも同じ変化球であるフォークという点を除いても、プロ3年目の佐々木朗希の怪物豪速球を支える必殺技にまで昇華されていることがわかります。
少ない数字ではあるものの佐々木朗希はスライダー、カーブも投げていますが「直球」が強すぎるがあまりに変化球に対応できない、もしくは対応をしても空振りをしてしまうことが見えてきます。
まだまだ奪三振を奪えないスライダー・カーブ
直球とそれに伴うフォークの落差で打者を翻弄する佐々木朗希であっても、まだまだ他の変化球を主体にした「戦い方の引き出し」が増えていくとさらに強くなると考えられます。
そもそも、打者にとって変化球は得意球である人と、そうではない人がいるのでここは正捕手の松川のクレバーな頭を信じてもっともっと凡打、奪三振の山を築いていってほしいです。
ちなみに、佐々木朗希の球種配分は
- ストレート(直球):57%
- フォーク(変化球):35%
- スライダー(変化球):3.7%
- カーブ(変化球):3.6%
ほとんどの球種がストレートであり、次にくるだろう球種がフォークである可能性が高い投球術です。
もし、ここからスライダー・カーブの割合が増えていけば「被安打率・本塁打率」も上がっていく可能性もあると言えますが、より長いシーズンをフルタイムで戦い抜く軽快さも合わせて得ていくのだろうとファン目線で感じます。
佐々木朗希のフォークがホームランになった理由
時期的に佐々木朗希自身も疲れが溜まっていた時期であり、かつ、3年目の本格稼働をし始めた時期でもあります。
高卒から少しずつステップアップしているまさに成長期に、ようやく1本のホームランが出たことに驚きを隠せない反面で佐々木自身の必殺球であるストレートはいまだにホームランになっていません。(2022年6月ごろ)
うっかりすっぽ抜けた変化球がホームランになり投手が項垂れて口元をグローブで隠し、バッターは朗々とフォームへ帰っていくのはよくあるケースです。もし、今後、佐々木朗希のストレートにいまいるプロ打者たちが対応し出す時期が来たのなら、より変化球を織り交ぜた変幻自在な対応を佐々木、松川自身は求められるはずでしょう。
正直、佐々木朗希の直球縦回転変化量は、もはや変化球なのでいくらでも他のまだ試していない変化球も武器になりますよね…!